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第4回日本乳癌学会中部地方会 セミナー(8日)




イブニングセミナー

進行・再発乳癌治療におけるゼローダの位置づけ ―更なる治療成績向上を目指して―




日 時:平成19年9月8日(土) 17時00分〜18時00分
会 場:A会場(224会議室)

座 長:福富 隆志(愛知医科大学 乳腺・内分泌外科)
演 者:佐治 重衡(東京都立駒込病院 外科)
共 催:中外製薬株式会社



進行・再発乳癌における治療目標はQOLの維持および生存期間の延長に置かれる。したがって、化学療法においては、期待される生命予後延長効果と安全性のバランスが両立したレジメンが求められる。

5-FU誘導体であるゼローダは代謝酵素の分布に着目することで腫瘍内5-FU濃度を選択的に高めることを目的にデザインされた経口の抗癌剤である。その代謝酵素の一つであるチミジンホスフォリラーゼ(TP)は腫瘍組織で高発現している。in vitroの実験においてパクリタキセルやドセタキセル、シクロホスファミドなど既存の抗悪性腫瘍剤に腫瘍組織内TP誘導作用があることが明らかになり、in vivoにおける相乗的な抗腫瘍効果が確認されている。

O' Shaughnessyらは、進行・再発乳癌を対象とした第V相比較試験において、ドセタキセル(T)+ゼローダ(X)同時併用療法がT単独療法に比べて死亡リスクを23%低下させることを報告している。また、これを根拠に、NCCNガイドラインにおいても進行・再発乳癌に対する推奨レジメンとしてT+X同時併用療法が明記されている。

更に、Beslijaらは、転移性乳癌100例に対する一次治療として、T+X同時併用療法と順次投与(T→X)療法を比較し、奏効率、無増悪期間、全生存期間など、いずれの項目においてもT+X同時併用療法が順次投与療法に対し有意に優れた成績を示すことを報告した。HER2陽性の進行・再発乳癌を対象としたCHAT試験においても、トラスツマブ+TにXを併用することで無増悪期間を約5ヶ月延長させることが報告されている。

当院においても、ゼローダ併用療法を複数例に行い、単に奏効率を向上するだけでなく、QOLを維持しつつ治療奏効期間を保持する効果も経験している。今回の講演では、進行・再発乳癌治療における更なる治療成績の向上をねらったゼローダの使い方に関して、当院の治療経験も交えながら言及したい。







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