第19回日本乳癌学会中部地方会

当番世話人挨拶

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第19回日本乳癌学会中部地方会
当番世話人 中野 正吾
(愛知医科大学 乳腺・内分泌外科)

第19回日本乳癌学会中部地方会を2022年9月3日(土)、4日(日)に完全WEB形式にて開催させていただきます。今回、テーマを「地方におけるNew Normal時代の乳癌診療を考える」といたしました。

2020年3月11日にWHOが新型コロナウイルス感染症パンデミック宣言して2年が経過しました。生活様式は一変し、「New Normal(新しい日常)」への転換を求められましたが、我々はこれを受け入れ、コロナ禍に立ち向かっています。さて乳癌診療におきましては2020年4月よりBRCA1/2遺伝子検査、乳房MRIを用いたサーベイランス、リスク低減手術が保険収載され、遺伝性乳癌卵巣癌症候群に関する認識が急速に深まっています。2019年6月にはがん遺伝子パネル検査が保険収載され、2022年1月から乳癌再発スコアプログラムの検査結果提供が開始されています。個々のゲノム情報をもとにした診断・治療が実地臨床で行われるようになりました。また薬物療法においては2021年12月よりCDK4/6阻害薬が術後療法へと適応が広がり、免疫チェックポイント阻害剤の適応範囲も広がっています。2020年8月からは抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体による周術期条件投与も開始されています。そして手術療法では2022年4月から超音波凝固切開装置等加算(ベッセルシーリングシステムを含む)がすべての腋窩リンパ節郭清に使えるようになりました。期せずしてコロナ禍と時期を同じくして乳癌診療でパラダイムシフトが起こっているといえるのではないでしょうか。我々はこれらの変化を「New Normal」として受け入れ、実践する必要性に迫られています。本学会では医師のみならず、チーム医療を支える種々の職種のメディカルスタッフが乳癌診療における「New Normal」を学べるようにセミナー、これに関連する基調講演、共催セミナーを数多く企画いたしました。

新型コロナ感染症の蔓延もあり、本会は2年連続WEB開催でした。現状のワクチンの接種状況および治療薬の開発の進捗状況を鑑み、今回は名古屋に足を運んでいただき、互いに顔を合わせながら意見交換をする機会を提供したいと準備を進めておりました。ところが、2022年7月ごろより新たな変異株による第7波が猛威を振い始め、感染拡大の勢いが止まりません。8月時点では行動制限は必要ないとされています。しかしながら医療従事者の感染リスクを最小限に抑えなければならず、断腸の思いではありますが、完全WEB形式に変更いたしました。なお、例年と異なり、当日のLIVE配信のみとなります。オンデマンド配信は行いませんのでご注意ください。

この2日間が皆様にとって有意義な学会となりますように主催者および関係者一同、これより一層努めてまいります。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

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