ご挨拶
第77回日本東洋医学会学術総会
会頭 佐藤 寿一
(医療法人よろず会 理事長)
2027年6月4日(金)から6日(日)までの3日間、名古屋国際会議場において、第77回日本東洋医学会学術総会を開催いたします。本総会の会頭を拝命いたしました、医療法人よろず会の佐藤寿一でございます。2001年の医学教育モデル・コア・カリキュラムに「和漢薬を概説できる」の文言が掲載され、漢方は日本の医学部、医科大学において必修科目となり、漢方に興味を持つ学生は増えてきています。日本東洋医学会においても学生部会、若手医師部会を立ち上げて、若手の育成に尽力しております。学問としての漢方の魅力を次世代の若手に継承していくことが私共の使命と考えて、本学術総会のメインテーマを「次世代に繋ぐ漢方愛」とさせていただきました。
江戸末期に西洋医学(蘭方)が我が国にもたらされるまで我が国の医療を支えていたのは漢方医学でした。ところが、西洋化・富国強兵をめざす明治新政府はドイツ医学を範として医事制度を確立し、漢方医学廃絶の方針を選択しました。そのような時代においても、漢方医学は民衆の間では綿々と受け継がれ、1910年に「医界之鉄椎」を著し漢方医学の素晴らしさを世に問うた和田啓十郎先生や、1927年に「皇漢医学」を著した湯本求真先生ら漢方医学復興の道を切り開いた先達も現れました。
太平洋戦争の終結後の1950年に本学会が設立され、漢方・東洋医学に従事したり興味を持つ者が集まり学び合う場が設けられました。1967年には漢方製剤が健康保険薬価収載されるようになりました。また、2001年に策定された文部科学省の卒前医学教育モデル・コア・カリキュラムに『和漢薬を概説できる』の一文が収載されました。1895年に帝国議会において漢医継続願が否決されてから実に100年余りの時を経て、漢方医学が日本における正当な医学として復権したのです。
我が国における医学教育において、漢方医学の空白の100年を埋めるのは大変な作業を要しますが、全国の大学医学部および医科大学では様々な取り組みがなされてきています。また、漢方・東洋医学に関心を持つ学生も増えてきており、いくつかの大学では東洋医学研究会サークルとして活発に活動しております。
本学術総会では、我が国の漢方の歴史について語っていただく特別講演、漢方・東洋医学の意義を伝えていただくための教育講演、各領域のエキスパートの先生方によるシンポジウム25題を準備しております。また、漢方・東洋医学の魅力を学生や若手医師に伝えるための漢方入門セミナーや鍼灸実践セミナー、腹診、舌診、脈診の診察実習を行う予定です。そして、全国の本学会会員が行う研究や経験した臨床症例を報告していただく一般演題も数多く取り上げたいと思います。
本会の会場の名古屋は日本の真ん中に位置し、東西からの交通の便もよいところです。味噌カツ、味噌煮込みうどん、きしめん、エビフライ、手羽先、ひつまぶしなど定番のグルメのみならず多くの美味しいものがあり食道楽にとっても楽しんでいただけると思います。是非皆様方には直接会場にお越しいただきたく存じます。
今回の学会は国際東洋医学会との合同開催であり、海外の先生方が多数参加されます。日本国内で国際的な発表が聴講でき、また国際学会での発表の機会となります。懇親会もWelcome Party(6月4日)とGala Party(6月5日)の2回あり、鏡開きと地酒をご用意しております。皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
